あらすじ
インテリジェンス後進国ニッポンに突如降臨
公安調査庁は、警察や防衛省の情報機関と比べて、ヒトもカネも乏しく、武器すら持たない。そんな最小で最弱の組織に入庁してしまったマンガオタク青年の梶壮太は、戸惑いながらもインテリジェンスの世界に誘われていく。
ある日のジョギング中、ふと目にした看板から中国・北朝鮮・ウクライナの組織が入り乱れた国際諜報戦線に足を踏み入れることに――。
<初対面の相手に堂々と身分を名乗れず、所属する組織名を記した名刺も切れない――。公安調査官となって何より戸惑ったのはこのことだった>――『ウルトラ・ダラー』『スギハラ・サバイバル』に続く著者11年振りの新作小説。
読後感想
筆者は元NHK記者とは思い得ない文才がある
主人公は思いがけず入庁した公安調査庁で苦難の道を歩む
家族にも友人にも就職先を打ち明けられない
就職先を公務員などどぼやかして話すこともしばしば
スパイとおぼしき外交官を追尾するのはヒヤヒヤさせさられる
本書はロシアのウクライナ侵攻を予想した筆致と考えられる
国際情勢が強権国家優位へ動く中で公安調査庁も国の先兵として武力に頼らない世の中を陰ながら目指してもらいたい
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