あらすじ
私は母葉子の住む老人ホームを訪ねた
部屋に入ると『828の1』とつぶやきながら、「もうすぐお父さんのところに行くのよ」
言っている
母はまだ頭脳明晰で痴呆の気配はない
母が言うには同じ入居者の霧島さんも『828の1』とつぶやいていたが、その霧島さんが最近心筋梗塞で亡くなったと
家に帰ると娘真梨香が駆け寄ってきた
真梨香が食べたいって言っていた「美濃和堂」のビスケットを土産に買ってきた
父の墓参りに行ったら近くの墓に墓碑銘が九十九(つくも)と書いてあった
近くにいた住職に聞くと昔養蚕で財を成した九十九家の当主で大変な倹約家で生前に自分の墓を建てたという
これはちょっとした謎で「八・二・八・ノ・一」から『金』をバラした文字だと読める
子孫へのメッセージで金を大事にしなさいよ、ということだろう
ところが戦後家を引き継いだ当主が散財家で蚕の不況も重なり一代で食い潰した
しかもその孫は当家の小作人が戦争に行っていることを良いことにその妻を散々もてあそんだ。小作人が戦争から帰ったところそれがバレ、自分の妻を殺すとともに当家の墓の前で刀で惨殺された
その晩「828の1」が墓標に書かれた写真を送ると、母より全部思い出したとメッセージが届いた
母が亡くなったのは翌週だった
朝食は何の問題も無く食べたがその後心筋梗塞にみまわれた
「828の1」写真への回答も無く・・・
ただその後母の遺品を探していると遺書では無いが置き手紙があった
詳細は省くが「死神」は居るという内容だった

ある日私は死神より「そろそろお前の番だ」と囁かれた
その日電車を待っていると化粧感無く、うらぶれた感じがする30代くらいの女性が「おいしいおいしい美濃和堂」かすれた声で言った
そして電車が来るとその女性は歩くように電車に向かって前を横切った
瞬間女性のものと思われる肉片や血が周囲に飛び散った
私は電話で妻に「子供がおいしいおいしい美濃和堂」って唄っているのか聞いた」言ったが妻は全く知らないと言い、子供に聞いても「美濃和堂でなんのとこか分からないようだ」という
またプレゼントとしてももらったことは無いと言っていた
自分は激しい悪寒を感じ次ぎに死を迎えるのが近づいてきた予感がした
読後感想
死を予兆する現象
あったらあったで怖い
遺言を家族に書ける利点はあるが
あ〜いやだなぁ
僕にはあってほしくない
「828分の1」と死神とどんな関係があるのか
もっと本書に合う書名があるのではないだろうか
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