あらすじ
「人を轢いたかもしれない」
厳格な父親からの一本の電話。それが悪夢の始まりだった――
80歳目前の武は、教職退任後、市民講座で教える地元の名士。父の武と同じ教職に就く敏明は、妻の香苗と反抗期の息子・幹人との平凡な生活を送っていた。
このところ父の愛車に傷が増え、危険運転が目に余るようになってきたため、敏明は免許返納を勧めるが武は固く拒絶する。
さらに、市民講座の生徒である西尾千代子と武との親密な関係を怪しむ噂が広がり、敏明は悩みを深めていた。
そんなある日、近隣で悪質な轢き逃げ事件が発生。
「あれって――まさか」
疑念に駆られ、事件の真相を探る敏明が辿り着いた“おぞましい真実”とは? 『悪寒』『不審者』『朽ちゆく庭』に続く、不穏で危険な家族崩壊サスペンス!
読後感想
独居老人から結婚を餌に金品を奪い殺害した木嶋佳苗事件
増加する老人運転手の事故
この2つを交えた小説のようだった
主役の現役高校教師敏明は新任2年後自動車で通勤途中に同じ高校の生徒に自転車で衝突されたが、加害者側でないにも関わらずその高校に居づらくなり退職し別の私立高校に勤めている
家では妻に対して上から命令口調、妻は夫が何かあっても相談せずいつも心配ばかりしていてイライラし通し
中学生の息子に対してはガミガミ怒った指導のせいか、近寄ってこない
この3人家族に加わるのが元高校の校長である父・武
武はもう80歳になるが、妻が病死したあと1人暮らし
最近痴呆症の気配が出てきた
父が市民講座で教える生徒の西尾千代子は独老人を騙し金品を巻き上げた裏を持っていた
同じ市民講座を受講する野辺を西尾が恋人をよそおって金品を巻き上げていた
ある日西尾は武が運転するドライブに誘い、暗闇の道路であたかも武がひき殺したように工作する
西尾は事故死させたと言われ、厳格な武は警察に「自首」する
事故死させたというのは西尾の工作した嘘だったと武は後日警察から言い渡される
最も被害を受けたの武の息子敏明だった
武の事故騒動に巻き込まれ、マスコミの報道から教師を辞めざるを得なくなった
しかも妻は敏昭に対し、いつも不満を口にしながら、こんな大それた事件に対しても隠し事が多いと離婚された
ただ敏明の息子はこの事件には一番冷静だった
父の行動を冷静に調べ上げ、武の援護にもなる
一流私立高校には入学できなかったが公立高校に進学できた
武は一人では痴呆の関係から一人で住まわせることはできなくなり妻がいなくなった家に敏明と同居することになった
武は弁護士の力を借りながらことの終始をまとめ自分で反省すべきことをまとめた
校長まて勤め上げた力量があったからこその力量か
剛明は教師を辞めた後職探しをしているがまだ見つかっていない
将来父武を一人で介護するこのになるだろう
一番被害を被ったのは俊昭だったと思う
柚木麻子の「BUTTER」は犯人の女性が拘置所からマインドコントロールにより雑誌記者を追い込んでいるが本書はその手前
金品を単身男性から奪いながら殺人を犯す点で違っていた

両親の介護の問題は多くの家庭は妻に任せることを前提に進めているが、これでは家庭崩壊に繋がりやすい
老人介護施設の充実も総理にお願いしたい
一人2万円は辞めてこれを少しでも財源につぎ込んで欲しい
本書からこのように感じた
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