あらすじ
経済の革新者か、それとも証券詐欺か!?
元官僚の北川靖とアメリカ人の友人たちが運営するウォール街のカラ売り専業ファンド「パンゲア&カンパニー」。資産の過大計上、嘘で塗り固められた製品開発と事業計画、契約書類の改ざんや巧妙な口車で投資家を蹂躙するマネーモンスターたちに、研ぎ澄まされた財務分析と緻密な告発レポートで次々と宣戦布告‼
コロナ禍とウクライナ戦争に翻弄され、
日経平均がバブル超えへと向かう金融ジャングルで、
「カラ売り屋」とマネーの怪物たちはいかに戦ったのか。
迫真の経済エンタテインメント!
息詰まる攻防を描く全3話
(出版社より)
読後感想
中編小説三話ありました
(1)ミスター液晶
液晶ディスプレーで成功し富を得たオーナー社長が液晶だった生き残れると、これにばかりのめり込む
ただ世の中は有機ディスプレーが開発され安価であるが液晶のシェアはじり貧
過去の成功体験だけを信じていたオーナー社長の行く末
シャープを土台として取り上げたかと思ったがシャープ自身が別の企業として実名で載っていた
(2)水素トラック革命
アメリカで新規に開発した水素で稼働するトラックを匠に広告宣伝し、販売していないのにナスダックに上場し巨額の富を得る
ただ水素駆動の安価な水素はもとよりトラックもハリボテで実際動く車作られていないままに評価だけ上がる
現代ならAIなどで何でも人工で作ることができるので騙されやすいこともある
この先になれば素のものか、人工か見分けの付く技術が開発されると思います
イーロンマスク氏からネタを取ったと思ったが彼はもう世界屈指のエレクトリックカーの製造販売で成功を収めているので違っていました
ただ情報だけで水素トラックをでっち上げるとはアメリカらしさなのでしょう
(3)地銀の狼
銀行員が金融知識のない老人に特殊な金融商品(仕組み債)を売り込んで、更に儲かるからと貸し付けた資金でアパートを建築させる
金融機関が儲かるとともにアパートを建築させた業者も評価より不当に安価なアパートを建築する
金融機関は金融商品からの利益とアパート業者からのキックバックと二重に利益を出すという内容
これはピンときました
スルガ銀行かぼちゃハウス事件をベースに書いた小説です
本書では1行員の考えた利益構造だったがこれが全行に広がり、これで損をした銀行顧客が銀行を訴訟したことにより実態が判明
やはり簡単に儲かることには裏があるということです
世の中段々巧妙になって来ていますからお互い気を付けたいものです
これらはカラ売り屋が実態を調べてレポート提出したことによっても実態が判明します
彼らが儲かった利益の大半は公共団体に寄付するという内容です
現代版ロビン・フッドでしょうか
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