読書日記

読書の記憶のために

「沖縄戦記 鉄の暴風・沖縄タイムス社編」(文庫版)//過酷な沖縄戦の住民避難記録

 

 

あらすじ

 

二度と戦争をしない・させないために生存者たちが語った真実を記録する
日本人必読の書

第二次大戦末期20万人もの命が奪われた沖縄戦。本書はその惨状を従軍記者が克明に綴った記録だ。現代史第一級の史料を初文庫化。解説 石原昌家

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第二次世界大戦における最激戦地の一つ沖縄。軍民合わせ20万人もの尊い命が犠牲となった。

 

本書のタイトルの「鉄の暴風」とは、1945年3月26日から3カ月間にわたり途絶えることなく続いた艦砲射撃や空爆のすさまじさを表現した言葉だ。1950年の初版刊行以降、沖縄戦を象徴する言葉として定着した。

 

地形が変わるまで打ち込まれた砲爆弾、壕に逃げ込んだ住民を炙り出す執拗な火炎放射、そして民間人にまで及んだ自死の強制。

 

本書は行動を軍とともにした記者たちが自らも体験したその壮絶な戦場の実態を、生存者をたずね克明に記録したもの。現代史第一級の史料を初文庫化。

(出版社より)

 

 

 

読後感想

 

6月23日は沖縄鎮魂の日

1945年のその日、組織的な日本軍の抵抗が終了した日とされている

たまたま直近に本書が発行されていることを知り、早速読み始めた

 

連合国軍(主に米軍)が沖縄上陸するまでの住民等非戦闘員の避難準備、上陸前後の艦砲射撃、そして上陸し膨大な量の火器による攻撃、住民等の避難、そして食料欠乏による饑餓

あらゆる悲惨なことが起こり、勝ち戦をした米軍でさえ「ありったけの地獄をひとつにまとめたようなもの」と書いている

 

本書は戦争当時の沖縄新報社記者が主に住民避難記録を記したもの

初版は1950年朝日新聞より出版され以降重版を重ねてきた

今回文庫本発行に当たり文書も現在の標準語に改められ読みやすくなった

 

文庫本とは言え文字は最小であり、500ページ余りの大作である

私は特段の用事が無い限りほぼ1日中読んで4日かかった

早く読み進めないといけないいう気持ちに駆られたからだ

司馬遼太郎は本書を読んだあとは「一晩中眠れなかった」と言う

私も読みながら時には心臓の鼓動が大きくなり、時には涙しながら読んだ

そして読んだ後、頭を沖縄に垂れる気持ちだった

 

実際避難時に遭遇した状況を記者が書いたり、後日記者が県内を巡って住民から聞き取った内容である

 

避難場所は自然にできたガマや地面を掘って作った地下室であったが、軍事優先のためことごとく住民は劣悪な場所に追いやられ、米軍上陸後はひめゆり事件を象徴するような集団自殺、饑餓に見舞われガリガリに痩せ細り、餓死する住民も多く語るに尽くせない悲惨な状況であった

 

並みの言葉であるが“二度と一般住民まで巻き添えにする悲惨な戦争はなくしてほしい”

・・・といっている間に中東・ガサ地区やウクライナで同じように住民を標的にするかのような戦争が起こなわれている

 

本書の帯に書いてあるが「日本人必読の書」だと思う

 

 

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