あらすじ
ある日突然、球団広報に出向!?
元大リーガーの専属広報担当を命じられた男が挑む「極秘任務」とは……
名手が放つ、日本初の「球団広報小説」!
食品メーカー広報部員・三上は、子会社のプロ野球チーム「横浜パイレーツ」へ出向を命じられる。古巣に復帰した大リーガー石岡の専属広報担当として、MLBフリークの三上に白羽の矢を立てた――とは表向きの理由。低迷するチーム再生のため、スター選手の石岡に引退後の監督就任を要請するも拒否され、彼の信頼を得て説得するという業務命令(ルビ・ミッション)が三上に課されたのだ。シーズンに入り、めざましい活躍を見せる石岡はなぜかマスコミを避け、三上は番記者との間で板挟みに。やがて、チーム内にも不穏な空気が漂い始め……。球界の舞台裏で交錯する人間模様を描く 堂場野球小説の新たな地平!
読後感想
フィクションとしてのプロ野球小説は珍しい
パイレーツという横浜本拠地のチームの内部を描いた小説だ
主人公の三上は食品メーカーの親会社からパイレーツへ広報担当として出向してきた
そこでは元在籍したパイレーツへ大リーグから戻った石岡を日本に押しとどめ将来の監督にさせる使命を帯びていた
石岡はマイペースでプロ野球では絶好調だった
ただ石岡が日本に残ってプロ野球監督を目指すのか本音を話さないどころか、プレーに専念するためとしてマスコミを完全シャットアウトする
広報担当の三上にもコメントを言わない
これでは広報担当としては仕事にならない
マスコミからは突き上げを喰う
そんな中であるふとしたことから石岡が本気で大リーグ復帰を目論んでいることを直接聞く
これでは三上が出向できた意味が無い

三上は同じチームの2軍外国人選手ジャステスを石岡が極秘に指導していることを調べた
三上が親会社で米国在勤の社員にジャステスとはどんな男なのか調査を依頼
そしてわかったのが、次ぎの通り
石岡は渡米時同じチームのある選手の指導を受け、打撃が好調だったのは彼の指導によるものだった
ただ現在彼はガン闘病中で余命幾ばくもない
彼は離婚した元妻の子供ジャステスの指導を依頼した
石岡の本音がわかった
1年しかパイレーツに在籍せずここで好成績をあげ大リーグ復帰を目論んでいた
このためチーム選手と懇意にすると別れにくくなるのでひたすら日本では孤独の選手生活を送っていた
ジャステスは指導のおかげで常時1軍に残り、次期の契約をもぎ取った
その上で石岡の大リーグ復帰はできたのか
主人公の三上は元々大リーグ好きで将来大リーグで働きたいと思っていたが、結婚して子供ができるとその成長も見たいので当面は諦めることにした
僕もプロ野球ではR球団を応援しているが、ある理由でファンとしては休止状況
万年Bチームでありながら補強に熱心でなく、選手起用もおかしい
まるで本書のパイレーツのような球団だ
本書はプロ野球球団の協力を得て書いているので本音がところどころ透けて見える
最近のプロ野球はファンを軽々に思っているんじゃないか
ファンあっての組織なのでファンに寄り沿うルールを作っても良いんじゃないか
(ファンが撮影したプレー中の写真をSNSに公開できないなど)
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