読書日記

読書の記憶のために

「存在のすべてを」を読む//本屋大賞逃して残念

 

 

 

塩田武士著「存在のすべてを」を読みました

 

あらすじ

平成3年に発生した誘拐事件から30年。

当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。

異様な展開を辿った事件の真実を求め再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。

質感なき時代に「実」を見つめる、著者渾身、圧巻の最新作。

(出版社より)

 

感 想

長編です

5ポイントくらいの細かい文字で500ページ近くありました

はじめは警察ものだと思って読み始めました

小児誘拐事件が立て続けに2件起きた
犯人は同一人物

1件目は当て馬のようで速やかに解決
本命は2件目の事件
子育て放棄した母親から疎んじられ、反面祖父母からは大事にされる

その実業家の祖父からの解決金を狙った犯行
犯人は誘拐した男児(4歳)を自分の弟夫婦に預け逃走

弟は画家の才能があり、誘拐した男児を、一緒に絵画を描き育てながら逃亡
その男児が絵の天才(いわゆる写実的絵画)になり

小学高に上がる頃内密を条件に祖父母のもとに解放
誘拐犯の弟がいつ警察に乗り込まれるのかと冷静になれず3年くらい逃亡する

最後はその男児は日本で最も有名な画家一人になり北海道に豪華なアトリエを建築

そのそだれた弟夫婦の運命は・・・

弟は絵画により存在していたことを証明していた

誘拐された幼児は親から見放され、更に誘拐されるという不憫な境遇ながらその間絵画を学び随一の画家の育ったことが描かれていますが目頭が熱くなる思いでした


小説の中に出てくる「トキ美術館」は千葉市にある「ホキ美術館」を想定していると思います
日本で唯一写実絵画専門の美術館で絵画は写真のようであありただ、絵画であることから焦点がどこにでもあり絵の中に吸い込まれるような印象でした
あまりに衝撃的だったので2度足を運んで見に行きました

 

本屋大賞を逃したのは残念でしたがこの本の存在は示せたと思います



 

 

 

 

 

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