読書日記

本は僕の宝です。

「偽装同盟・佐々木譲」//日露戦争で敗れた歴史に改変する警察小説

 

 

あらすじ

 

ナショナリズムの台頭、格差の拡大……
すぐれたエンターテインメント小説は時代の空気を反映する」
佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)推薦!

日露戦争に「負けた」日本。
ロシアの属国と化した地で、男は、警察官の矜持を貫けるのか。

日露戦争終結から12年たった大正6年。敗戦国の日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。3月、警視庁の新堂は連続強盗事件の容疑者を捕らえるが、身柄をロシアの日本統監府保安課に奪われてしまう。
新たに女性殺害事件の捜査に投入された新堂だったが、ロシア首都での大規模な騒擾が伝えられ……。
「もうひとつの大正」を描く、入魂の改変歴史警察小説、第二弾。

【著者プロフィール】
佐々木譲(ささき・じょう)
1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」で第55回オール讀物新人賞を受賞。90年『エトロフ発緊急電』で第43回日本推理作家協会賞長編部門、第8回日本冒険小説協会大賞、第3回山本周五郎賞を受賞。2002年『武揚伝』で第21回新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で第142回直木賞を受賞。16年に第20回日本ミステリー文学大賞を受賞。『ベルリン飛行指令』『制服捜査』『警官の血』『警官の条件』『沈黙法廷』『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

 

読後感想

 

ロシア帝国との戦争で敗戦国となった日本は軍事権と外交権をロシアに取り上げられた

形式上警察権は従来通り日本人が担うことになったが、ロシア人が犯した犯罪はロシア側により日本人が起こしたことにされるなど対ロシア面は苦渋をなめることも多かった

 

本書では大正時代の警察の捜査方法など時代がかった手法を改めて知ることができた

捜査は主に聞き取りや指紋検査、殺人などの場合は司法解剖などであるが、当然精度は現在より格段に低くなる

被疑者への尋問も「おい、こら」方式であり現在以上に強引な誘導尋問に重点が置かれた

 

本書での事件はロシア語学校で学んだ日本人女性とアメリカより入国しロシアのスパイ活動をしていたポーランドアメリカ人の2人が殺害された2件あった

 

相互とも関連は無かったがうち1件はロシア秘密警察が殺したと思われる事件で、ロシア側の圧力により別件で逮捕された日本人が犯人とされた

 

後段、事態が一変したのはロシアでの革命である

 

現皇帝が退位することになり、ロシア人犯罪も日本の法律に照らし合わせて取り締まる段取りとなった

最終的なロシア側の日本への占領政策がどう変わるか・・・という場面で終了した

 

大正時代の東京中心部の地理や当時の習慣など事件とは関係無い部分でも興味深かった

--------------

以下の画像をクリックしてもらえると更新の励みになり嬉しいです(ブログ村

 

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

*イラストはフリー素材を使用しています

*クリックありがとうございます

 

--------------