読書日記

本は僕の宝です。

「同期の紅葉・松嶋智左《警官の標》」//警察署内で押収金が盗難され疑いを招く

 

 

あらすじ

橿原有子は39歳独身、係長として白堂署に赴任した

初めての赴任地ながらここには同期の女性主任がいる

時沢唯美、彼女は既婚者だ

橿原からいつか同期会をしようと持ちかけられた

そんな中、特殊詐欺事件で押収した一千万円の被害金が、警察署の金庫から消えてなくなるという事態が発生し、署内の人間たちが大騒ぎする。

金庫の近くに席のある者、ローン返済に困っているような者、ギャンブルの虜になっている者など署内では署長始め幹部署員が集まり該当しそうな署員をリストアップし調べているが犯人とおぼしき者が見つからない

時沢忠美の夫は同じ警察官で別の署に勤務している

ギャンブルに失敗し家で酒を飲みまくっている

時沢にも疑いを持たれたが、それを同期の橿原有子が庇った

橿原らは罠をかけて捜査したところ上手く罠に引っかかったのは生活安全課の楠田だった

管理者の目をくすねて金庫の合鍵を作り、誰も目に留めないときに金庫を開け一旦自分の席の下に隠しておいた

それを夜取りに来た楠田を掴まえた

上司のパワハラとも言える書類作成、様々なことがあり本人が警官を辞めたがっていた

おそらく今回の事件では懲戒解雇、窃盗であることから検察庁送りになることが予想された

事件が一段落したところで橿原と時沢はカラオケで同期会をやった

どちらかからともなく「同期の桜」ではなく「同期の紅葉」だと言った

 

消失の謎という、本格謎解きミステリーでは頻繁に描かれるタイプの趣向が物語の最後まで読者の興味を引く。松嶋智左は元白バイ隊員という経歴を持つ作家で、近年では特に新潮文庫より刊行されている〈女副署長〉シリーズなどで、警察組織における女性を主題にした書き手という印象が強い。だが、島田荘司が選者を務めるばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作『虚の聖域 梓凪子の調査報告書』(2018年、講談社)が私立探偵小説の興趣を持った作品であったように、実際には様々なタイプのミステリーが書ける作家なのだ。本篇もそうした松嶋の多面性が窺える。

 

読後感想

 

金庫内押収金が盗まれたのは警察署での金庫管理の杜撰さからだ

カギは警務課長席にあるが、日中は誰でも容易に持ち出せる、夜間でも引き出しに入れてカギをかけておくものの、引き出しを開けるカギはほとんどの署員が置き場所を知っていた

そして二重防止としていくつかの番号を回しながら合わせる金庫だったがそれは使っていなかった

まさか警察署員が警察内で窃盗されるという油断が招いた事件だった

 

 

どうして「同期の紅葉」なのかは分からなかった

秋に警察学校を卒業したのか?

 

--------------

以下のバナーをクリックしてもらえると更新の励みになり嬉しいです

 

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

*イラストはフリー素材を使用しています

*クリックありがとうございます

 

 

 

--------------