読書日記

本は僕の宝です。

「罪は光に手を伸ばす・吉川英梨《警官の標》//蛙の子は蛙

 

 

あらすじ

 

警視庁警察学校生徒の宮武エミが今日から八王子警察署で実務研修のため、ここにやって来た
ここで1週間実務を学び警察学校に戻る予定

女性警察官は一般的に交通課を選ぶがエミは地域課志願だ

指導係の巡査と一緒に西八王子駅前交番に向かった

八王子駅前は何かと忙しいがここはあまり問題のありそうな事件は少ない

時間つぶしに最近起きている関東・中部のハイキング場で起きているソロ女性キャンバーを狙った殺人事件への注意喚起のチラシを配りに先輩巡査と一緒に高尾山西側にある南浅川キャンプ場へ向かった

この日現地にいたのは小学生を連れた奥さまのグループ、女性ヨガインストラクター、初心者の女性キャンパー、、リモコンで実験をしている2人の男子大学生、そしてちょっと怪しいユーチューバーの男性福沢45歳

エミはそれぞれ顔を見ながらチラシを配り注意するよう呼びかけた

 

翌日は八王子市民祭りで交通規制があるのでその準備に向かった

昨日行ったキャンプ場で女性キャンパーが1名行方不明との緊急情報が入り同行している指導係の巡査と一緒に現地へ向かった

現地には消防署員、消防団員も含め100名を超える人達が山のふもとから捜索に当たっていた

現地捜査本部によると行方不明者は2名いるとのこと

現地キャンプ場管理人によると現在残っている名簿からヨガインストラクター成田栞と初心者キャンパー荒川の2名だという

 

 

昼頃になって2人の死体が見つかった

一方は顔を殴打され誰何か見分けもつかないという

もう一人は焼かれて全く誰か分からない

エミが死体を検分したところ服装の特徴から成田と荒川であることの見当がついた

本来研修生には恐怖をいだくことから死体は見せないものだがエミは自ら申し出て前日の服装等から確認した

 

そしてもう一人、別の場所で男性の遺体が見つかった

スコップで穴を掘られ埋められていたがイノシシなどが餌として死体を掘り起こしたのだろう

死体からアーモンドの匂いがした。多分青酸カリによるものだ

女性2人を殺して男性が服毒自殺したと読んだ警官に対してエミは否定した

 

男性の身元が割れ八王子市内に住所をもつ福本佳孝42歳と判明

警官らが自宅に行ったら妻と小学生の娘がいた

娘は人の絵をチョークで書いていて股には赤いチョークで塗られていた

そしてこの年になっても指をかむクセが直らないようだ

 

エミが推定で犯行の流れを署長の前で説明した

福本佳孝を殺害したのはその妻

妻はスコップを持ってキャンプ場近くの山中に死体を捨てに行った

それをキャンプをしていた成田と荒川から見つけられ、スコップで殴り殺したり、もう一方は火をつけ焼死させた

 

読後感想

 

犯行のきっかけは福本の妻

福本佳孝が幼児性愛者で自分の娘を犯していた

それを苦にした妻が妻の実家から持ち出した青酸カリを夫に飲ませ薬殺した

エミは娘がチョークで描いたものと指をかむクセから見抜いた佳孝から虐待を受けていることを知った

 

妻が死体の穴を掘っているところを成田、荒川に見つけられ必死の思いで2人を殺害した

連続女性キャンパー殺人の犯人は成田だった(詳細は本書で)

 

以上がエミの見立てである

 

実はエミの父は元八王子警察署員で、署内の不和から退職し探偵事務所を開設していた

死体の写真はエミが子供の頃から父の部屋に何枚も掲げられていたのでそれほど違和感はなかった

 

蛙の子は蛙だったということか・・・

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