読書日記

本は僕の宝です。

「いつかの山下公園・伊兼源太郎《警官の標》//ライバルにうまく乗せられた。

 

 

あらすじ

 

関内暑でほぼ矢澤と三枝はほぼ同年齢

若い頃は5歳年上の佐藤と3人でよく飲み明かした警官仲間だった

矢澤は三枝より先に結婚したが生まれた娘が病弱で佐藤と三枝は夜勤をよく交代してあげた

ただ矢澤は家庭不和から離婚し、今は一人で住んでいる。警察官によくある事件発生時に何日も家を空けることからだったので佐藤、三枝とも他人の事とは言え身につまされた

一時期3人とも移動で他部署にいたが、40歳過ぎになり佐藤は課長、矢澤、三枝とも係長で以前と同じ関内暑で一緒になった

佐藤は両名を競わせて成績の良かったものを本部の係長に推薦したいと考えていた

 

某企業で毎月3万円帳簿改ざんで横領している気配があるとその会社社長から警察に相談があった

佐藤はこの捜査を矢澤係長班と三枝係長班で競わせた

 

調べてみると経理担当の水谷が横領している気配があり彼の住んでいるアパートに事情聴取で訪れたら窓から逃亡した

水谷は息子がいたが、今は妻と離婚し息子も妻についていった

サッカー好きの息子で水谷も逢えずとは言え期待していた

 

水谷の逃亡先を実家や友人宅など両班は捜査したがこれと言った収穫が上がらない

矢澤が水谷の息子がサッカー好きでクラブに入っていることを聞いて、捜査会議の場でも情報として上げた

 

三枝は水谷が寄りそうなホテルカフェを張っていたがたまたまそこに矢澤を見かけ、若い女性と予約していて部屋に向かった

 

刑事は四六時中仕事があれば乗り込む体制でいなければならないが、日中の2,3時間は空けても(例え遊びであっても)相棒が連絡係としていればなんとかなる

 

企業からの横領事件に関する定例会議のとき、矢澤とその相棒が欠席だった

仕事で不在とのこと

三枝は矢澤に先を越されたのではないかと戦々恐々としていて、後日矢澤が佐藤とヒソヒソ話をしていたことも気になった

 

そうしているうち、矢澤が被疑者の水谷を和歌山で見つけ逮捕したとの情報が入る

なぜ和歌山なのか

水谷の息子が和歌山でのインターハイに出場することを掴み、水谷が応援にいっていると踏んでいた

その通りになり逮捕に繋がった

佐藤課長からは祝福され次期本部へ栄転する最右翼になった

 

三枝は迷ったが、矢澤のホテルでの女性関係を佐藤課長に上申した

佐藤課長は一緒に泊まったのは別れた妻との間にできた娘で、今度結婚するために最後の晩を父親と過ごしたいと言われていた

うかつなことを言ってしまったと三枝は悔やんだ

 

ただその日三枝がそのホテルで張り込んでいることは知っていたので、矢澤がわざと女性関係に見えるように仕組んだ罠ではないかと・・・

そうであれば本部に昇進することを阻止するためにあらかじめストーリーを作ったことも考えられる

 

三枝はその晩イライラとして眠れなかった

それでも気持ちを切り替え久しぶりに娘を山下公園に誘ってみようと思った

 

読後感想

 

昇進競争は警察官であっても激しい

ペーパーテスト以外に上司の推薦も必要だ

三枝が考えたように女性関係と思わせるために矢澤から上手く乗せられたのか

僕はたまたまホテルでその現場を見ただけで、矢澤はそこまでは考えていないと思う

警察官は疑り深いことを身につけているが、公私のバランスも必要だろう

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