あらすじ
窓の外から猫の鳴き声が聞こえた
紀代子の娘真紀は母が亡くなったと警察から連絡があり駆けつけた
ただ真紀は紀代子と50年も会っていない
紀代子は水商売に入り、真紀の父親とは真紀が生まれる前に分かれた
浮気性で結婚する前とあとでは全く性格が違った
そして紀代子と真紀は一緒に住んだが小学3年生の頃、紀代子が出ていったきり戻ってこない
真紀は施設に預けられた
真紀は紀代子とはそれ以来の対面だった
紀代子のもとに弔問客として来たのは水商売の元同僚1人だけ
同僚を代表してきたのだという
誰にも未練を持たれずになくなった母紀代子が不憫だと思う
ただ母はそれでも不幸でなかったのかもしれない
猫が一匹部屋に入り祭壇を確かめるように四方の臭いを嗅ぐ
そしてあの細いからだからどうすれば出るのかと思うほど、大きく遠吠えののように遠く尾を引く。餌をねだる声でもなく、盛りがついたものとも違う。
こんな猫の声を今まで聞いたことがない。
真紀が「止めて!」と大声で言ったら猫は驚いて逃げていった
元同僚は「紀代子さんはいろいろあったけど、自分が好きなように生きて死ぬ。これ以上幸せなことはないんじゃないか」と・・・
窓の下を見下ろすと猫が一声鳴いてビルの隙間から走っていった
その時、真紀の頰が濡れていた
読後感想
死んだ母親が好きなように生きて死ぬ。
真紀は直接聞いたわけではないが幸せだったのではないだろうかと思う
なにも金銭的に豊かばかりが幸せではない
心が満ちていればこれで良かったのではないだろうか
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