読書日記

読書の記憶のために

「帝国の弔砲」を読む//もし日露戦争で日本が負けた場合という想定小説

 

 

あらすじ

佐々木譲による小説『帝国の弔砲』は、日露戦争で日本が敗戦した世界を舞台に、ロシアで育った日系移民2世の登志矢が数奇な運命に翻弄されていく姿を描いた改変歴史冒険小説です。


登志矢は、ロシア沿海州に開拓農民として入植した小條夫妻の次男で、帝室鉄道少年工科学校で学び、鉄道技能士となりました。世界大戦のさなか、帝国軍に徴兵され前線へと向かいますが、激戦を生き延び復員します。しかし、帝国には革命の嵐が吹き荒れ、登志矢もやがて飲み込まれていきます。

登志矢は、悲嘆、憤怒、そして憎悪が、運命に翻弄された男を突き動かします。

(CHATGPTによる)

 

 

感 想

 

出版社による「あらすじ」があまりにシンプルだったのでCHATGPTに作ってもらいました

 

明治時代にあった日露戦争では日本は勝利し北方領土を確保しました

ただこの小説は歴史改ざんというか、ロシアが勝った場合を想定して描かれています

 

登志也は20歳にロシア軍に徴兵され、ヨーロッパ戦線で歩兵として戦います

前向きな勤勉家として鉄道少年工科学校で優秀な成績をあげ実務の習得無しに機関車と動かしたり、戦場では浮遊艇を操作するなどして軍からは高く評価されていた

 

終盤では独ソ戦の最中にロシア革命によりロシア旧帝国軍と赤軍共産党)の内戦で赤軍が勝利

登志也も赤軍として戦った

 

その戦いも終わり登志也はロシア共産党のスパイとして日本・東京に潜入し、党の命令があるまで目立たず、ほとんど誰にも会わず暮らしていた

 

そして20年ほど経過した後に党からの命令により日本の要人を殺害することになる

 

日本人としての優秀さ、ロシアの狡猾さなど感想としては渾然としたものになりました

 

「もし〜であれば」は過去の歴史を改ざんするようで、この点はあまり馴染め無かったです

 

 

 

 

お薦め度

★★★☆☆

 

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「地球大暴露」を読む//メタバースの世界か、哲学か、人生論か様々に読める

 

 

スタントン菜穂著「地球大暴露」を読みました

 

あらすじ

 

本書は、地球というメタバースにしかけられた秘密の設定を暴露し、地球のマトリックス(難題や落とし穴)から抜け出すための「地球攻略本」です。
メタバースとは、仮想世界のこと。
最近は、インターネット上に仮想空間を構築し、アバターを通じて、結婚したり、子どもを育てたり、起業したりなど、現実とは別の人生を送るゲームがトレンドになっていますが、それと同じで、地球そのものが実は仮想の世界なのです。本当の自分は宇宙にいて、今、肉体を持ってサラリーマンや主婦をしているこの現実こそが、メタバースです。
要は、私たちは、「地球」という仮想世界の中に入り込み、ゲームをしているようなものなのです。
地球では、他人の価値観に影響される地球的な生き方から人生がスタートしますが、転換期を迎えると、自分の直感を信じる宇宙的な生き方へと転換することで、宇宙のパワーにアクセスできるようになり、一気に人生が開かれるようになっています。
そこで、この本では「転換期」を迎えた人に、地球の秘密の設定とマトリックスを脱出して、全ての望みを叶える攻略法を記しました。
「私は、転換期にいるのだろうか?」と悩む必要はありません。この本は、転換期を迎えた人しか手に取れないようになっているからです。今、あなたがこの本を手に取ってくださっているということは、あなたはまさに人生の転換期にいます!

第1部で、本当の自分を思い出すヒントと、あなたが地球にきた時に実はサインしていた「地球メタバース参加同意書」の中味を暴露し、第2部では、その「地球メタバース参加同意書」を元に、地球がしかけたマトリックスをご説明していきます。そして第3部で、地球にいながら宇宙のパワーにアクセスして、思い通りに全ての望みを叶える攻略法をお伝えします。この本を読み進めるうちに、本当にこの現実は仮想世界だったんだ!と腹落ちしていく感覚になるでしょう。
そして、読み終わった頃には、あなたが望む世界に自然と移動しているような仕組みになっています。
この本を手に取ったあなたは「転換期」にいますから、想像を大きく超えた宇宙の愛のパワーに導かれるでしょう。

(出版社より)

 

 

感 想

Amazonで売り切れ中であり、評価された方が大絶賛されていることから読んでみました

 

この本は人によって理解の仕方が異なると思います

 

はじめはメタバースの世界論を書いてあるのかと思いましたが、読んでいく中で哲学、いや精神論、人生論などいかようにも読めます

 

私が理解したのはどんな嫌なことや失敗したことなど精神的に落ち込んでも俯瞰的に出来事を振り返るとたいしたことでは無いと考えたくなると前向きな考えを教えてくれる本と捉えました

 

著者の略歴はアレっと思いましたが、悪い本ではありません

 

『時間があれば読んでみて下さい』という感想です

 

題名が壮大すぎます(~_~;)

 

お薦め度

★★★☆☆

 

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「頭のいい人が話す前に考えていること」を読む//コンサルティングの技ですね

 

 

安達裕哉著「頭のいい人が話す前に考えていること」を読みました

 

あらすじ

 

☆★2023年 年間ベストセラー1位(ビジネス書単行本/日販・トーハン調べ)☆★
☆★読者が選ぶビジネス書グランプリ2024 ビジネス実務部門賞受賞☆★
☆★2023年啓文堂書店ビジネス書大賞☆★
☆★驚異的に売れて48万部突破!!☆★

◎フジテレビ『週刊フジテレビ批評 THE批評対談』で特集されました(2023年9月30日)

【IQ・学歴に関係なく、誰でも「頭のいい人」になれる!】
今年1位かも。凄いものを読んだ感。 「もっと早く知っていれば」と後悔すらした。
マーケティング会社役員(Twitterより)

amazonランキング1位!(ビジネスライフ/労働時間・休暇)
◎「ちゃんと考えてる人」は何をどう“ちゃんと”考えているのか!?
◎AI時代に淘汰されない!「知性」と「コミュニケーション」の原理原則にして、奥義を大公開!
◎ 口下手な著者がコンサル22年で得た知見を1冊に凝縮!
◎頭のよさは、話す前にどれだけ“立ち止まれるか”で決まります。
◎「話し方」よりも大切な「思考の質の高め方」

どれだけ考えても、伝わらなければ意味がない。でも、話し方のスキルだけでは、人の心は動かせない。コンサルで叩き込まれたのは、人の心を動かす、思考の「質」の高め方でした。本書は「頭のいい人」が何をどう考えているかを明確にし、誰でも思考の質を高め、「頭のいい人」になれる方法を伝授します。

さあ、手に入れよう。
あなたが本来持っている考える力を自動発火させ、

「信頼」と「知性」を同時に得ことができる黄金法則を。

(出版社より)

 

感 想

出版社が書いたあらすじが派手な宣伝文句のようでちょっと引いてしまいました

筆者はコンサルティング会社社長です

中に書いてあることは一言で言うとコンサルタントでも自分は控えめにし旨くリードし、顧客に話させること

コンサルタントを呼ぶほど問題点を抱えている企業の社長ならどうしようと考えているかの案はあるはず

それを質問の形で引き出して、自ら動くようにさせることだと言っています

 

 

一般的な知人との会話やビジネスでもできるだけ自分から率先して解決策を出し話し合いをリードしようとするととんでもなく悪い方向に進みかねません

自分が自ら力仕事をせざるを得なくなる場合だってあります

相手に話させこちらで軌道修正させながら相手の案で話しがまとまった風にすると案外うまくという趣旨だと思いました

頭は使いようでテコの原理で相手がやる気をおこしてくれれば百万馬力がえられるか

ビジネスマンの中堅社員が陥りそうな罠からの解決策をうまくまとめて書いていると思います

 

 

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「言葉のびっくり箱」伊奈かっぺい//元青森放送局職員、抱腹絶倒、言葉あそびのあれこれ。

 

 

伊奈かっぺい著「言葉のびっくり箱」

 

あらすじ

「この約束は紙に書いておこう。いつでも破れるように」
言葉と遊び戯れること50年あまり、「嘘でも楽しい話が好き」をモットーとする著者の技が冴えわたる。


産経新聞(東北版)連載コラム「言葉の贅肉」からエッセンスを集成し、著者ならではの「落書き帖」を加えて編成。

好評既刊『言葉のおもちゃ箱』に続く、待望の第2弾!

(出版社より)

 

感 想

著者の伊奈かっぺい氏は元青森放送局員

たぶん定年退職したと思います

現役の時から漫談やら公演等で地元青森の有名人

といってもアナウンサーではなく多分技術職員

 

休みの日には漫談等で地元だびよん(演芸場)や近隣で好評だったとおもいまいます

青森出身の社員から教えてもらって著者のCD(歌ではありません)を買い、本を買い家の中では爆笑の連続

 

津軽弁(青森弁)の笑話も出てきますがわからなくたって大丈夫

いつも例に出すのが友人同士が町でバッタリ会って、

「どさ」

「ゆさ」

『良いお日柄で、これからどちらに行かれるんでしょうか』

『おお、久しぶり。これから銭湯に行くんだ、また合って一杯やりたいな』

意訳するとこんな内容を話したんだんと思います

津軽弁は早口で話す言葉も短いです

 

エッセイでこんなに笑わせてくれるものは他に見当たりません

 

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「存在のすべてを」を読む//本屋大賞逃して残念

 

 

 

塩田武士著「存在のすべてを」を読みました

 

あらすじ

平成3年に発生した誘拐事件から30年。

当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。

異様な展開を辿った事件の真実を求め再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。

質感なき時代に「実」を見つめる、著者渾身、圧巻の最新作。

(出版社より)

 

感 想

長編です

5ポイントくらいの細かい文字で500ページ近くありました

はじめは警察ものだと思って読み始めました

小児誘拐事件が立て続けに2件起きた
犯人は同一人物

1件目は当て馬のようで速やかに解決
本命は2件目の事件
子育て放棄した母親から疎んじられ、反面祖父母からは大事にされる

その実業家の祖父からの解決金を狙った犯行
犯人は誘拐した男児(4歳)を自分の弟夫婦に預け逃走

弟は画家の才能があり、誘拐した男児を、一緒に絵画を描き育てながら逃亡
その男児が絵の天才(いわゆる写実的絵画)になり

小学高に上がる頃内密を条件に祖父母のもとに解放
誘拐犯の弟がいつ警察に乗り込まれるのかと冷静になれず3年くらい逃亡する

最後はその男児は日本で最も有名な画家一人になり北海道に豪華なアトリエを建築

そのそだれた弟夫婦の運命は・・・

弟は絵画により存在していたことを証明していた

誘拐された幼児は親から見放され、更に誘拐されるという不憫な境遇ながらその間絵画を学び随一の画家の育ったことが描かれていますが目頭が熱くなる思いでした


小説の中に出てくる「トキ美術館」は千葉市にある「ホキ美術館」を想定していると思います
日本で唯一写実絵画専門の美術館で絵画は写真のようであありただ、絵画であることから焦点がどこにでもあり絵の中に吸い込まれるような印象でした
あまりに衝撃的だったので2度足を運んで見に行きました

 

本屋大賞を逃したのは残念でしたがこの本の存在は示せたと思います



 

 

 

 

 

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「ネット右翼になった父親」を読む//多分実直な昔気質の父だったのだろう

 

 

 

鈴木大介著「ネット右翼になった父」を読みました

 

あらすじ

 

ヘイトスラングを口にする父

テレビの報道番組に毒づき続ける父

右傾したYouTubeチャンネルを垂れ流す父

 

老いて右傾化した父と、子どもたちの分断

「現代の家族病」に融和の道はあるか?

 

ルポライターの長男が挑んだ、家族再生の道程!

 

<本書の内容>

社会的弱者に自己責任論をかざし、

嫌韓嫌中ワードを使うようになった父。

息子は言葉を失い、心を閉ざしてしまう。

 

父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?

父は本当にネット右翼だったのか?

そもそもネトウヨの定義とは何か? 保守とは何か?

 

対話の回復を拒んだまま、

末期がんの父を看取ってしまった息子は、苦悩し、煩悶する。

父と家族の間にできた分断は不可避だったのか?

解消は不可能なのか?

 

コミュニケーション不全に陥った親子に贈る、

失望と落胆、のち愛と希望の家族論!

(出版社より)

 

 



感 想

ネット右翼の定義が著者と私では異なります

私はYahoo!ニュースなどに誰彼構わず左傾的な(反政権的な)コメントをヒマさえあれば書き続けることやX(旧ツイッター)にも反左翼的な意見を発するような人達

そして往々にして高等教育を受け職場的にも管理職であったり周囲にそれほど不満をぶち上げない人々だと思っていました

この本を読むと右翼的とは月間HanadaやWILLを借りて読んだのがはじまりで徐々に自分から購入するようになったこと、家族の前では右翼的意見を発するわけではなくテレビのニュース等で反保守主義的な活動を見たときつぶやくように言葉を発する程度です

この程度なら多少差はあるにしても半分程度の成人日本人にはいるでしょう

なんせ保守的与党で政権を握っているくらいですから当然だと思います

著者の望んでいる左派の考えを基本に置くと父親は「右翼」に映るんでしょう

 

 

自分はどうなんだと聞かれたら是々非々の立場です

その政権の方針、活動によって意見が異なるからです

やはり現状を一歩引いて見ることが正しい意見を見いだすカギだと思っています

自分のこれまでの投票傾向は野党側が多いです

現状で良しとするわけにはいけないので議論を戦わせる議会であってほしいというのが願いです

その意味では保革伯仲、もしくは保保分裂による競った選挙でなければ投票する意味が見いだせません

 

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「芸能界」・染井為人著」//人気と孤独、芸能界の舞台裏。7編短編集

 

芸能界

芸能界

Amazon

 

染井為人著「芸能界」を読みました

 

 

あらすじ

黒い噂で業界から見放され、長年在籍したプロダクションを退所しようとしている俳優。

 

・人気女優を10年かけて育て上げ、今度はピン芸人と新人アイドルグループを担当する辣腕マネージャー。

・新しいファンを獲得しようと、Instagramにハマったベテラン女優。容姿端麗な若い男たちをキャストにミュージカルを運営する女性プロデューサー。

・容姿を弄るネタで30年笑いをとってきた漫才コンビ。誹謗中傷や家族の問題に悩まされているアイドル俳優。

・震災の町で芸能界の仕事をする娘を苦々しく思う父親。元芸能マネージャーの経験を活かした著者が、きらびやかな世界の光と影を描く、七つのエンターティンメント!

 

感 想

7つの芸能界に関する短編です

 

共通しているのはサラリーマン、主婦(廃語?)、自営業者など一般人とはかけ離れた世界です

プロスポーツ選手と同様希望を持って入ろうとしても中々入れないです

そのなかでどうやって人気を維持しようかと苦戦する姿を垣間見ます

 

ひとつの作品を上げれば、若いときには人気者だった女優がフェイスブックにはまり、「いいね!」の数が増えることを生きがいにし始め、本職の女優業までおろそかにしてしまう

 

私たちには知らない世界だからこそこの小説でのぞいてみたくなって読みました

 

作者の染井為人氏はミステリー作家と思っていましたがこういった芸能小説も書くとは意外でした

 

 

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